7月24日京丸山

梅雨が明けたのでガイドブックに『秘境の山』とある京丸山へでかけた。
国道362号。毎日通勤に使っている道。会社の事務所の前を通り越して天竜区春野町へ途中左へ折れる。小石間隋道を抜ける。この時点ですでに驚いてしまった。小石間隋道はそれなりに距離のあるトンネルなんだけど一車線なのよ。センターラインがなくて本当に一車線。『あぁここか』と思ってトンネルに入ったとたん『えぇ〜正面から車が来たらバックで戻るのか?』。 幸い対向車は来なかった。 この時点で金には『うぉ秘境だ』。

トンネルを抜けるとそこは素敵な景色だった。川とその岸にある集落。たくさんある日本の原風景の典型的な一つが広がっている。
川に沿って走っていく。川が二手に分かれた場所で右の川に沿って走る。その一番奥の集落が石切と呼ばれるところ。携帯電話なんて通じません。
ここで左に上がる道、右に下りる道があって『あれっひょっとしてここが車を停めて登り始める場所か?』『ゲートねぇしなぁ』。


ここではなかった。半信半疑。不安いっぱいで左に登る道に車を進めると完全に林道。『間違っていたら今日は登らなくていいや』と思って諦めかけたとき『あったぁ!ゲートだ』この時点で予定より1時間遅れ。

右側のゲートからトレッキング開始。
体調は珍しく良くてルンルンで歩き始める。
で、調子に乗りすぎて林道歩きなのに道を間違えて後に30分ロスする。
まぁとにかく天気は良いし体調は良いし順調に行程をこなしていく、見晴らしの良い林道。
10:45 大休止。 でも何だかおかしい? 
『もうそろそろ京丸の集落じゃないといけないのになぁ』
はい、そのとおり間違えていました。途中左に入る道に行かなければならなかったのです。ここで30分ロス。
戻って京丸の集落に入る。

あばら家

有名な(?)どのガイドブックにも載っている藤原家。
2005年くらいまで人が住んでいたとのこと。
ゲートから普通に林道を歩いて2時間くらいかかる。
自給自足だったんでしょうね。
今は誰かが管理しているみたい。
痛んだところの修理痕とかあるんです。

京丸を過ぎる。道路に水が出て川になっているところで素敵なモデルが出現。ピクリとも動かず何枚も写真を撮らせてくれました。


そして何と出たっ!!!

ニホンカモシカです。こちらをじっと覗って後「シュウシュウ」と音を出して山を下っていきました。

そして山の神を過ぎると、また日当たりの良い林道になる。

このあたりから間違えた30分間が身体に効いてきた。
あの30分は単純に30分のロスとしては駄目だった。
見晴らしの良い林道=日当たりが良い林道。
熱中症で15人も亡くなったとその夜のニュースは酷暑の話題ばかりの日でありますから・・・・・・・・・・

京丸の集落を超え1時間くらいするとバテてきた。
『もう歩きたくない』『この辺で昼寝して帰ろうかなぁ』
でも何となく歩いていくとすごく展望の良いところに出た。

『ここが1305mのピークかな』
高度計を見るとまだ1000mに達していない。
いくら補正が必要だといっても300mも差があるはずがない。

なんせ全く標識のない山。こんな山歩きも初めて。
自分が頂上までどのくらいにいるのかさっぱり分からない。
自分の位置がはっきりしないというのがどんなに疲労の上乗せになるのか・・・・・3倍くらい?
とにかくヘロヘロ。

 
展望を楽しんで休憩して帰ろうかなと思ったんだけど・・・・・
『やっぱりここまできて途中でやめるのは嫌だ』
気を取り直して歩き始める。

林道の終点。
ここから本格的な山道。
歩きにくいわけではないがバテた身体に急登はきつい。
汗は汗腺の一つ一つから湧き水のように吹き出て止まることを知らない。 ブドウ糖クエン酸を強化したスポーツ飲料水が美味いっ!!!


標識がないので上を見上げて『あそこが1305mか?』と思いつつそこまで上がるとまだ道が下がらない。 期待が裏切られる感じがしてまた疲労が上乗せになる。
何とか1305mらしき場所を越える。今度はいよいよ山頂だ。
『あそこかな?』違う。『あれか?』また違う。
草臥れてザックをおろした。
『えぇいここにザックを置いてとにかく天辺まで行って帰ってこよう。どうせ展望はないんだ。長居は無用だろう。』
『人は来ないけど動物がザックを引いていくことはないかぁ。匂いのするものは入っていないし大丈夫だろう』
10分くらい登って頂上に着いた。まぁ広くなっているだけで展望も何もない。
『さっさと展望の良い場所に戻って休憩して下りるぞ』



下山編に続く